「 いりさ じょうじ 」一覧

富士キノコ

不明菌

富士山のキノコ達はずるい。

きっと神戸のキノコや、生駒のキノコ達は口を揃えてこう言うに違いない。

この山は火山岩や火山灰に覆われているはずなのだが、何十年、何百年の間にそこに植物の種が根付き、根を伸ばし、そして大きな樹へと成長していった。樹は水をたくわえ、土を湿らし、コケが地面全体を覆うようになっていく。

そんなコケの絨毯を縫うようにして散策路が刻まれている。高鉢の駐車場から「御殿庭」へと続く道。それはまるで楽園に導かれる夢のような道なのであるが、ガラン沢を越えてしばらくすると、それまでは平坦な道だったのがいきなり「登山道」となる。いきおいキノコを探す気持ちが薄れていく。坂道を見ると「登山モード」にスイッチが切り替わるのだ。

しかし雨はおとなしくなるどころか、その勢いを増しているようにも思える。木々の間に身を置くと分からなかったその「勢い」が、少し開けた尾根道に出た瞬間、ものすごい勢いで僕の身に襲いかかってきた。傘は飛ばされ、道を歩くのにも抵抗力がかかり、下へ、下へと押し戻される、、、

そこで気づいた。

あれ、今日は登山はしないハズだったぞ、、、、

そう思い直して、「御殿庭」への到達は断念して踵を返した。
帰り道は行き道と違った景色が広がっていた。
登っているときには気づかなかったキノコ達の姿が、木の陰に隠れていたり、岩の向こうにひっそり出ていたりする。

それらの新しい「発見」もまた楽しいのだ。

山は歩くだけじゃない、見たり、探したりするのもとっても楽しいものだと思い知る。しかもこの楽園の様な風景。乾燥と戦っている我が関西のキノコ達に教えてあげたらきっと嫉妬するに違いない。


ギンリョウソウモドキ

アキノギンリョウソウ

秋に出てくるので、アキノギンリョウソウとも言うらしい。再度公園に向かう山道でけっこう出ていた。

ギンリョウソウモドキはギンリョウソウに比べて数が少ないらしいので、今回見れたのはとってもタイミングが良かってラッキーでした。

しかし行きは完全に遅刻だったので、ゆっくりと撮る暇がなかったので、帰り道、じっくり撮るために歩いて降りようとしたら、クライマー部(酒豪達)に拉致され、そのまま中華街まで行って、一杯引っ掛けて、ラーメン食べて帰ってきました。

ラーメンとっても美味かったっす!

K野さん、ありがとさんです!次は何食べようかなぁ~??


五十肩

この前、キノコフレンドのS木さんのとこに鍼をしてもらいに行った。
アゴがハズレたという投稿をした時に
「一度鍼したるからきなはれ」
とのお誘いを受けていたのと、指や腕の関節があちこち痛かったので(転んだり、捻じ曲げたりして)、キノコ観察の帰りに東三国の鍼灸院に立ち寄ることにした。

鍼をしてもらいながら悪いところをモミモミ、モミモミ(この響きやらしいな w)してもらいつつ、関節の痛みが治らない理由とかそんなもんのお話をペチャクチャ、ペチャクチャ。

そうしてうつ伏せに寝て腕を後ろに回した時にちょっと肩が痛いのを思い出した。

「あ、そうそう、左の腕を、こう背中の方に持ってくると痛いんですよね~」

S木さんにそう説明して、左手を背中の方に持って行った。

「いや普段は何とも無いんですよ、これで腕立て伏せもやってるし、懸垂だって10回はできますし、、」

確かに日常生活ではまったく何も支障が無かった。ただ背中がかゆい時にイテテテとなるだけなのだ。

「ほぅ~それはね、、五十肩やね」

しれっと言うS木さん。

「整形外科に行って病名をつけるとしたら」の話ですよ。
もちろん、これぐらいの痛みで整形外科に行く人はいないだろう。なので「あえて名前をつけるとしたら」ということになるんだろうけどね。

しかし「五十肩」とな!!

いままで五十肩になった、と言う人が何人か周りにいるが、オレはまったく無縁の人だよなぁ~と思っていた。しかも五十肩の人たちに対してかなりバカにしていたではないか!!

やばいなぁ、、、

ここでカミングアウトしとこかな、、

「僕も五十肩でした、、これから五十肩ファミリーとして仲良くしましょう~」

なんてね。

いやいや、でも五十肩といっても「度合い」が違うもんな。懸垂も10回は出来るぞ、しかもL字懸垂だぞ。
それに対しS木さんは

「五十肩は簡単に治せますよ」

と言って治療をしてくれた。

「五十肩の理屈は簡単でね、筋肉と筋肉がくっつた状態になってるんですわ、、なのでそれを剥がしてやれば良くなってきます」(説
明はうろ覚え)

と言ってゆっくりゆっくり剥がす作業を続けてくれた。
おかげさまでまだちょっとは痛いけどかなり後ろにまわせる状態になった。

しかし、運動してても五十肩ってなるのね、、、

そう言えば先輩のK本さんもあれだけスポーツクラブで水泳やテニスやしてるのに、

「じょーじ、おれ実は五十肩やねん」

って言うてたなぁ、、

「いやいや、あんた60歳でんがな、、」

と軽口を叩いていたバツがあたったのか、、、
きっとそうだ。


マツオウジ

マツオウジ

松の枯れ木から出るキノコ。

少なくともここ再度公園では春から秋にかけて、ずっと出ているのでどちらかというと余りみなさんこれを見つけても「あぁマツオウジね」と感動は少ないのよね。
でもキノコらしいキノコなので写真とかにはうってつけなのですが、いかんせん傘が白く、陰影が出にくいのでピント合わせがしにくいし、白飛びしてしまうので、現像では白飛びしないように丁寧にしなくっちゃならないのですよん♪

ちなみにこれは下からレフ板を当てて撮りました。マツオウジは柄の部分が暗くなりやすいので、いつも傘は真っ白、柄は真っ黒の写真になりやすいのです。しかし、、、久しぶりにレフ板を使うと加減がわかりませんのよ、、、ちょっと柄の部分が不自然な光になっておるのでござる。

もっとしっかりとチェックしたらよかったでござる(笑)

『似ているキノコ』

なし


ニガクリタケ

ニガクリタケ

こうやって見るととっても美味しそうなキノコに見えますが、名前が示す通りとっても苦いし、紛れも無い毒キノコです。
しかしこのキノコが「クリタケ」と間違って信州(だったか?)の道の駅で売られていたのはまだ記憶が新しいですね、、、

ほんとに久しぶりに写真を現像しました。

やはりじっくり写真を撮って、じっくり現像するってのは良いもんですね。気持ちがうんと安らぐ気がします。。

『似てるキノコ』

・クリタケ
普通に見ると間違えることは少なそうなのだが、中にはとっても似ているニガクリタケがあるらしい、、

http://toolate.s7.coreserver.jp/kinoko/fungi/hypholoma_lateritium/index.htm

・チャナメツムタケ
こちらもよく見たら似ておりませぬが、まぁクリタケに似てるということで、、、
http://toolate.s7.coreserver.jp/kinoko/fungi/pholiota_lubrica/index.htm


ムラサキヤマドリ

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東京出張のおり、ちょい時間が空いたので近所の公園に立ち寄ってみた。
関東の方ではイグチやらが爆発していると聞いていたので、どんなキノコに会えるのかワクワクしていたのだが、ちょっと爆発は終わっていたようで、その残り火の様な燃えカスの様な、そんなキノコ達だけに出会うことが出来た。

これは恐らくムラサキヤマドリ。

既に巨大化しており、写真を撮る気がしなったのだが、それでも僕的にはあまり見たこと無い(初めてかな?)キノコだったので出会えただけでかなりうれしーキノコなのですな。


マイケーキ

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懐かしいでござる。
中学の購買にあったでござる。


クライマー魂(後編)

K野さんの経歴はよく存じあげないのだが、過去に彼女自身が「クライミングに恋をして」というタイトル(うろ覚えですが)の投稿をしてたのを見て

そんな人おんねんや、、、

とひとしきり感心したのを覚えている。
そんなK野さんは何を隠そうボルダリングジムのオーナーでもある。

前にそのジムにボルタリングをしに行った時に片手でホールド(色のついた石みたいなやつね)を持ち、片手でブラシを持ちヒョイヒョイと登って行ってはホールドに付いたゴミを掃除していたのに驚かされたものだ。

そんなK野さんが、壁に挑んでいる。

分厚い服を着ている時はわからなかったが、時は夏、Tシャツの後ろから伺える肩の盛り上がりは「筋肉」と呼ぶにふさわしく、袖からニョキッと覗いているそれは「上腕二頭筋」の筋肉見本のようでもある。

わっ、ホンマに登るんや、、、

そんな雰囲気に圧倒され、周りの4人は固唾を呑んで見守った。
静寂がK野さんを中心にして同心円上に広がる。

すると、K野さんが何か呟きだした。

「こう行って、こう行って、こう、、」
「こう行って、こう行って、こう、、」

でた~~

僕は心の中でそう叫んだ。

ボルダリングの時に教えてもらったことだ。

「どうやって登るかをまずは考えんとね、それにはまずどこを持って、どこに足を持っていくか、それを順番に追っていくのよね、登るよりまずは考えることが肝心なのよ」

とK野さんは無骨な登りしかできない僕に諭すように教えてくれた。

そのイメージトレーニングなのだ。
僕はその言葉を思い出し、あらためて「本気だわさ」と思った。

「こう行って、こう行って、こう、、」

K野さんがまだイメージを作っている。

もう、ベニタケのことなどどうでも良いのだ。

上腕二頭筋の「張り」が僕らの目にも飛び込んでくる
K野さんがその壁にゆっくり近づく。
そして壁のコンディションを確かめた後、、

「やめとくわ!」

へ?

「登れるけどなぁ、降りられへん」

さすがだ、、、、

登るのもクライミングなら降りるのもまたクライミング。
この決断力こそが「クライミングに恋をして」いる何よりの証拠なのだ。

P.S.
そうそう、K野さんのボルタリングジムが一周年を迎えたそうな・・・
ではこの文章をお祝いの言葉として献上しましょう。
え?いらん?(笑)


クライマー魂(前編)

7月のキノコ観察会はクライマーの方たちと駅で集合し、そこから集合場所の再度山へと登っていくルートを歩いて行った。

駅に集合したのは8時。
山の駐車場での集合は10時。キノコが多ければ時間ギリギリかたまに遅刻するし、少なければ余裕で間に合う時間である。
その日は梅雨の間の晴れ間で、そこら中にキノコの姿を見ることが出来た。

僕は歩きながら、

「こりゃ確実に遅刻だな、、、」

と最初のほうで開き直った。

その日は「キノコ探しの天才」と呼ばれているS野さんも参加しており、前を行く僕らが完全に見落としたキノコを次から次へと発見していく恐るべき探索能力を持っているのでした。

もしかして目が3つぐらい付いてるのやろか、まるで『三つ目がとおる』やな、、、僕は他の誰も知らないであろう、そのマンガの題名を思い浮かべて、一人ほくそ笑む。

そんな天才が崖の上に綺麗な赤いキノコを見つけた。

「あぁ、ベニタケですね、、、」

僕はその珍しくもないキノコをそう言ってスルーしようとしたのだが、天才はポツリとこう言った。

「欲しいです、、」

え、マジで、ベニタケやで、、どこにでもあるやん、、しかも、崖の上やし、、(と心の中で叫んだ)。

「登ろうかなぁ、、」

天才はその崖を下から見上げてそんな風に言った。

いやいや、、結構たいへんよ、、滑ったら危ないし、、しかも『それほどの』キノコじゃないし、、、(これも心の叫び)
その壁というのは土砂の崩れを防ぐために作られた、人の身長よりも少し高い石積みで作られた石垣で、その石垣の上部は人が歩けるぐらいの平らな部分があり、足を上手いことかけていけばその壁に登ることが出来るのであった。

いやぁ、でも時間ないしなぁ、、で、登るのも危ないしなぁ、、それに『ベニタケ』やし、、、(またまた心の叫び)

そんな回りの雰囲気を察したのか、それとも登るが自分では困難と感じたのか、天才は逡巡していた、、、

そんな逡巡している天才の前に、すっくと現れた人がいた。

筋金入りのフリークライマーK野女史だ。

(後半に続く)


いりささん

最初の会社の後輩にE藤るみ子という舌の長い娘がいた。

僕の名前「いりさ」は舌の長い人間には特に呼びにくいらしく、しかも「さ」の二つ重ね、となるともっとハードルが高くなるらしく彼女が僕の名前を呼ぶ時は、

「いでぃざざん」

と英語の「th」の発音の様に舌を上の歯と下の歯に挟みながら僕の名前を呼んでいたものだ。
それを聞くたびに

「どうにかならんのか、その発音?」

とからかってやるのだが、真面目なるみ子ちゃんは

「ず、ずびまぜん、、じ、じた(舌)がなんがいんです、、」

と秋田なまりの「th」発音で謝るのでありました。

しかしだ、舌が長くなくても「いりささん」は言いにくいようだ。日本人の「らりるれろ」は舌が前歯の後ろにくっつけて発音するので「り」と「さ」舌移動にはかなりのもたつき感が出る。

そして「さ」と「さ」の重ねは「り」から「さ」に移動するときのプレッシャーとなりついつい詰まり口調になるのを何回も聞いたことがある。

いやぁ、、ほんと難しい名前なのですな。

でもね、この難しい発音を軽くクリヤする方法がある。
それは「り」を発音しないこと。

「いーささん」

どうこれ?絶対詰まらないよね。。
だいたい弾丸トーク自慢の同級生たちは「いーさくん」と発音してはるね。そうじゃないと弾丸を飛ばせないもんなぁ~

そう言えばこの間、鍼をしてもらったS木さんも妙に「いりささん」が言いにくそうであった。あまりにも言いにくそうなので思わず吹き出しそうになったのだが、吹き出して変なとこに鍼がささったらエライ目に遭うのでグッと我慢したよ。。。

S木さん、次からは「いーささん」って呼んでね(笑)