老眼になってから本をなかなか読まなくなった。通勤にしてもそうだ、自転車通勤などしていると、まさか乗りながら読めるわけもなく、それもつまりは読まなくなった一因ではある。
でも久しぶりに読もうとおもったのは、それがさだまさしの書いたものだからで(まぁそれでも買ってから何ヶ月も経過しているのだが)、しかもそれは映画化もされている。大沢たかおで。そりゃ読まない道理がない。
主人公の名前は航一郎。
いつも大変なことでも安請合いし「ミスターダイジョブ」と呼ばれていた彼。そんな彼がシュバイツアーに憧れて医者になり、アフリカのケニアへと医者として赴任する。
物語は彼を知る人達の「述懐」という形式をとって進められていく。スーダンの内戦で多くの犠牲者が運ばれてくるスーダン国境近くの戦傷外科病院。そんな中にいて多くの日本人、ケニア人、そしてスーダン人たちにたくさん愛された航一郎。
彼が蒔いた小さな種がやがて心のバトンとなって受け継がれていく姿をさだまさしらしく、暖かく、きめ細やかに描いたとても良い作品でした。
是非、お正月にでも読んでみてください、たとえ老眼でも(笑)