現実味を帯びてきた一度目の「破産」
なんとも「煽りっぽい」題名であるが、この本が発売されたのは10年前、僕がまだ40台前半の頃。
読んだ時はまだ子どもたちも小さかったので
「ふ~ん、そんなもんか」
と思ったものだったが、今や上の子どもが大学の3回生、そして下の子どもが高校2年生。二人共同時に大学に在籍、、、なんてことには「たぶん」ならないと思っておりますが、、、いよいよこの本に書かれていることが現実味を帯びて来だしてきたのでチラッと読み直すことにした。
さてさて一度目の「破産」はズバリ
「子供たちを大学に通わせている時」
中学、高校と少なくとも公立の学校なら学費などの家計にかかってくる負担はさほどではない。
まぁ公立でも塾などに通わせればそれなりの負担増ではあるのだが、それでも大学に通わせれば国立大学では少なくとも年間50万円、私立大学にでもなれば80万(文系)から150万(理系や芸術系)ぐらいの授業料がかかる。
これにもし自宅以外から通うとなれば家計の負担は相当重く、お父さんの小遣いまで削られるという悲劇が起きる可能性も少なくないはずだ。
まだ「お父さんのお小遣いを削ればなんとか」という家庭なら良い、それは収入と支出のバランスがプラスになっているからだ。しかし支出が収入を超えてしまう(奨学金などの借金も含めて)のは今ではさほど珍しくもないのである。
大学入学から卒業までにかかる費用が少なくて250万(4年、文系、国立)、多くて900万(6年、理系、私立)かかることになる。
あくまでもこれが一人分である。
それは普通のサラリーマンであればすんなり出せる額じゃないだろうし、奨学金を借りて通わせている家庭も少なからず知っている。その場合、卒業時にはその子どもが相当の借金を背負うことになるのである。
それは一度目の「破産」と呼んでも良いかと思う。
そして今自分は「その渦中」に居ることを実感している・・・(涙)
二度目の「破産」とは?
そして二度目の「破産」は未来に訪れるはずなので、十分に心しておかなければならないのだが、それは自分(または家族)が無収入になった時である。
「無収入になった時」
つまりサラリーマンなら定年退職後、と言うことになるだろう。
定年退職後は年金もあるし、退職金もたんまり貰える、そして何より貯金も十分なほどあるはずだ。
とそう考えているのが普通である。
だから「安心」だと。
しかしだ。
僕らの定年後(65歳だとしたら12年後)に果たしてどれだけの年金がもらえるのか?
退職金はちゃんと(減額されずに)出るのか?(中小企業なら雀の涙ほどしか貰えないだろうし)
そして貯蓄は順調に出来ているのか?(トラブル的な出費はないのか)
などの不安要素は少なからずある。
またサラリーマンなら「リストラされる」だけで上記3つの条件は脆くも崩れ、しっかり蓄えていた貯金などは泡のように消えていくのですな、、、それこそ泡のように、あっという間に・・・
また、病気になったらどうするのか?
保険に入っているから大丈夫、と言う人もいるかもしれないが、親の病気もあるし、子どもの病気もある。それが全て保険で補うことが出来ても「時間」はどうするのか?それによって失われる時間はお金で補うことになるので(その間の労働を失うことになるという意味で)、いくら蓄えがあっても十分とは言えないかもしれない。
だからきちんと家計を考えなくっちゃいけないのだよ、というのがこの本の主旨。
でも一番危ないのは中の上の人
そしてこの本を最も読んで欲しいのはいわゆる「中の上クラス」の人たちだそうだ。
一番破産への道を突き進みやすいのがこのクラスの人たちで、もっとも「何も考えずに」もっと「安心しきって」支出をしてしまうのだそうな。
つまり中の上の人たちは自分たちが「稼いでいた」時の感覚から抜け出せずに、定年後も同じような感覚で消費行動を行う傾向があるらしい。そのような人たちがイザというような時に生活を変えれるか、というとそうではなく相変わらず同じ消費行動をとり、しまいに破産への道を突き進むらしい、、、
こわいこわい、、あまりナーバスになる必要もないけど、やはりこれぐらいの本は読んどいたほうが良いんじゃないかな??
特別に「こりゃスゴイ」って事を書いているわけじゃないけど、自戒の書としてはいいかもしれない。
「サラリーマンは2度破産する」
こんな本もついでに読んでみるかな、、
「50歳からはじめるお金の教科書」