中国の軍事拡大は日本にとって脅威なのか?(中)

安倍首相が参議院の審議で「中国の軍事的脅威」を言及する前に永江一石さんがブログでこんな記事をアップされていました。

安保改正法を憲法に抵触するのに急いだ理由はコレだと思う

この記事中で永江さんは「中国の進出は日本の脅威である」と言うことを言われています。

いま、南沙諸島での埋め立てとか空港建設など中国の侵略が日常的に急ピッチで進んでいて、アメリカや、日本やオーストラリアに東南アジア各国から助けを求められてます。日本も中古の巡視艇を供与したりはしてますが・・。中国は自国の領土を主張してる範囲見てよ。これをもし実効支配されそうになったら、今回の法案にある「国家存立の危機」ということになり、集団的自衛権のために自衛隊を出すことができるぞという牽制ができたわけさ。

確かにここにある地図を見て「脅威を感じない」人はいないかも知れません。

なので「安保法案は必要」なのか?

永江さんは最後のほうでこんな文章を書かれています。

でもさ、中国もまじでいい加減にして欲しいよ。戦争に一番向かってるのはこの国だが、日本と同じように一人っ子ばかりだから実際に全面戦争には出てこないと思う。そんなことしてたくさん死んだらクーデターが起きちゃう。よって威圧的な態度で周辺諸国を押し切るつもりだが、今回の法案は、これに歯止めをかけたのではないかと思う次第です。

つまりは日本の安保法案が成立すれば中国の無謀な進出に歯止めがかけられるんじゃないか、、と。
しかしそのあたりは、はっきり言って誰も分からない、のですね。

さてここで「中国の脅威」とはいかばかりのものか?
ということにつきましてふるまいよしこ(@furumai_yoshiko)さんがこんなツイートをされてましたので、そのまま載せてみます。

最近のいろんな「運動」について、時々年長の、たぶんかつて60年代70年代の学生運動に関心を持っていた人と話をしていて、とても違和感があるのは、彼らは主義主張がまずあること。平和主義とかそういうもの。今は、若い「戦争に行きたくない」という人たちとつながっているからいいけど…

承前)今後どうなるのかなぁ、と漠然とした不安があります。というのも、若者たちの主張は「自分は〜したくない」という切実な意識から始まっている。だが、年長世代は「〜主義」から始まっている。そこがいつか、主義主張で別れてしまうのではないか、と。(続

承前)たとえば、この間もFBで書いたのですが、わたし個人は巷に流れる「中国脅威論」の論点のほとんどはアホか、と思っています。ですが、それはわたしが中国のムードを知っているから。「中国脅威論」を支えている人たちの多くが「不安」だからです。なので、「中国脅威論」は論破できないと思う。

承前)というのも、中国当局の物事の進め方は常に粗暴です。これは海外だけではなく、中国国内でもさんざん中国国内住民に対して行われているから、わたしも見ているだけで怖いです。その粗暴さに不安を覚え、「恐怖」を感じることは自然なことだから。逆に「脅威論」を唱える人はそんな恐怖を利用する

承前)つまり、「中国脅威論」を論破するということは、そういう恐怖をなきものにする、ということですが、わたしも責任取れない中国政府の粗暴さを見て感じる恐怖を、感じるな、という方が無理です。そういう意味で「脅威論」の論破は無理。でも、活動家の一部の方は「脅威論」自体を問題とみなし、

承前)中国の実情も知らないままに、平和主義的立場から「脅威論はダメでしょ」と主張する。あなた方の他者に対する優しさや思いやりは理解したいけど、それでは「恐怖」を感じている人は説得できません。その距離感をすごく感じています。

承前)ならば、どうすればいいのか。わたしにできることは、わたしが持っている知識と情報と分析を元に、「日本的に解釈された中国」を解きほぐして、日本で拡大解釈される「脅威論」のばかばかしさを理解してもらうことでしょう。結局、根拠のない「脅威論」って他者の恐怖を利用しているだけですし。

承前)ともあれ、思うのは、人間の「恐怖」って、本当に利用されやすいのです。良くも悪くも利用されやすい。もし、集合知を信じるなら、声をあげることが意味があると信じるなら、まずは自分が持っている「恐怖」と向き合い、理解することではないかと思います。それをやらずに集合知もクソもない。

でも、最後に言っておきますが、日本で流れている「中国脅威論」の根拠とか論調とか、ほとんどが思いつきやねじ曲げでできています。それを主張する人にとっては、聞く人が不安や恐怖を感じないと目的を達せないので、かなりの妄想も含めて吹聴されているのは事実です。

ちなみにふるまいよしこさんは長年中国(北京、香港)に住んでおられて、中国事情の第一人者であります。

ぶんぶくチャイナ(メルマガ)

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