先週の日曜日、もう4年以上行ってないインドカレー屋「ミルチマサラ」に行った。
予想に違って、日曜なのに混んでいた。
しかし幸いにも一番奥の厨房に近い席が開いていたので、お店のオバちゃん(日本人)はその席を案内してくれた。
「今日は一人?」
何故か、オバちゃんはこう聞いてきた。
もう4年も来てないのである。確かに以前は3人で来たことがあるのだが、、、と思いつつ、「あ、はい」とニッコリ答えた。
そして、しばらくメニューを見ていたらまたオバちゃんがやって来て、
「今日は何にする?」
と聞いてきた。
先ほど、あれ、と思ったのであるが、僕の中でそれは確信に変わった。
誰かと間違えているのだ!!
オバちゃんのその度の強そうな分厚いメガネは「僕に似た人」と僕を判別できないのだ。
「じゃあ、今日はシーフードカレーで!」
めんどくさいので、その別人のふりをして「じゃあ」という要らぬ言葉を付け足した。
別に別人になりすましたとしても何の害があるのだ。ここはオバちゃんの気が済むように別人のママでいるのが思いやりというものではないか?
そして、しばらくしてナンとシーフードカレーが運ばれてきた。ここのカレーは量が多い。しかもホントに美味い。なのでいつもナンが足りなくなるなったのを思い出した。
いやぁ、4年ぶりに来たけどやっぱり美味いなぁ、、
そう思いながら機嫌よく食べていたら、オバちゃんが耳元に来てこう囁くのだ。
「今日はな、日曜日やし、ナンもう一枚サービスするで!」
それはお得意さんにだけかける秘密のささやきだ。
「えっ、いいの?」僕もささやくように言う。
「じゃあ」と言って人差し指を立てて「1」を表現した。
そして心の中でこう感謝した。
「ドッペンゲンガー君ありがとう!!」
と。