伊吹山の威容

伊吹山5

伊吹山に初めて登った。山の形はどこが頂上なんだろうか、と思ってしまうぐらいぐらい山の上部が吹っ飛んだような形をしている。もしかして伊吹山というのは昔火山だったところで、噴火で山の上部が変形したのではないか、、と思いつつ。

そして信仰の山でもある伊吹山は伊吹大明神と称せられ、古事記では「牛のような大きな白猪」、日本書紀では「大蛇」に例えられた。また古事記ではヤマトタケルがこの伊吹大明神と戦って敗れる、という物語がある。とまれ伊吹山というのはその威容な姿をもさることながら、昔から崇められてきた山であることには間違いない。

そして三合目を過ぎ、五合目辺りからその姿が僕らに迫ってくるときに神々しいまでの威容を感じずにはいられなくなり、今からこの山に登るのだ、と思うと身震いせずにはいられなくなるのだ。

しかし、この山の北側をご存知だろうか?

伊吹山は火山だったので元々が海の底にあったらしい。それ故、この山からは沢山の化石などが出てくるとともに、山自体が石灰質の地層が堆積して形成されているので、それがセメントの材料になるのだそうな。

なので、、、北側斜面はその材料の採掘場があり、山が山の体を無してないほどに削られているのである。
それは、まさに異様な姿としか言いようがない、美的にも、そして信仰的にも。

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